SPC法
SPC法が施行された当時(1998年9月)は、邦銀の不良債権を何とか銀行本体のバランスシートから削除して、金融システムの健全化を図ることが当局の目的でした。
したがってSPC法も多分にそうした金融機関の不良債権を処理するための受け皿として大いに期待されていたという背景があります。
ところが、施行されたSPC法(旧SPC法)はスキーム上の制約があまりに多く、特に不動産のように適正価格がわかりにくく、しかも事業性が非常に高い資産を流動化させるには不便で使いづらいという悪評しかありませんでした。
実際にこのSPC法を使って不良債権の直接償却を進めるべき銀行が、公的資金の導入とほぼ同時に不良債権処理に後ろ向きになってしまったため、SPC法を使って資産流動化を進めようという企業がほとんど出てこないという困った状況に陥りました。
たしかに、旧SPC法は銀行の不良債権処理を前提にしていたために、ビジネスの常識では考えられないような不備が多々残されていました。
たとえば、登録制によってSPCを設立する前に2カ月近い事前審査期間が設けられたために、市場で売りに出ている割安な不動産を仕入れたり、競売に参加して物件を購入したりするような機動的な動きがまったく封じられていました。
また、物件を購入するための借り入れが禁止されていましたから、レバレッジ効果によって投資効率を上げることもできませんでした。
さらに資産流動化計画に建物も含めた完全な事業計画を載せる必要があったため、土地購入後に建物を新築するような、いわゆる開発型の証券化スキームには不向きな面もありました。
新SPC法では流動化スキームの使い勝手を悪くしている多くの点が改正されました。
なかでも不動産の流動化スキームに明らかに寄与しそうなのは次の点です。
